まずはやってみる

よく生徒さんからこんな質問を受けます。

「先生、歌が上手くなるためにはどうすればいいんですか?」

この問いに対しての一番手っ取り早い僕の意見は「今すぐ自分の歌をうまいと思えばいいんじゃない?」というもの。

でも大抵の人はこの僕の言葉に対して怪訝な顔をして「もっとまじめに答えてくださいよ~」と言います。

結構真面目に答えてるんですけどね・・。

世の中には本当にやり方を知りたがる人が多いですし、答えを求めている人も多い。

人がやったやり方を参考にしたところで、とっかかりとしてはいいかもしれないけれども、ちょっと煮詰まったら、なんで自分がそれをしているのかさえ判らなくなるのがオチです。

また「答えを求めている人」も、僕から見たら何もしないで立ち尽くしている人にしか見えません。

答えは「求めるもの」ではない。また厳密にいうと「出すもの」でもない。

答えというものは単に「出るもの」です。しかもその出た答えは常に自分の背後にあります。

どのようなやり方が「正解」なのかをやる前から気にする人。そして過去に出た答えが「正解だったかどうか?」をずっと気にする人。

両者とも「現在」が真ん中にないから、実は何も生まれないし、何も変わらない。

ほとんどの正解は、たくさんの不正解の中に埋もれてます。何かを得る人は、たくさんの失敗を経験値や知識とするからこそ、「答え」を区別できるんです。

僕が見る限りでは、失敗してない人に「答え」が出てる人はあんまりいない。

冒頭の話に戻りますが、「上手い歌」を歌えるようになりたいのであれば、他人に決めてもらうのではなく、自分で「何が上手い歌なのか」を探す旅に出ればいいと思います。

子供のころにきれいな石ッころを探してたように、ひとつずつ手に取っては「違うなあ」と言いながら気にせずポイっと放り投げてるうちに、ある時突然見つかるもんです。

それが見つかったら、家に持って帰ってウキウキしながら砂を洗い流して、布で丁寧にこすったりしてるとそれは「自分だけの宝物」になる。

どうせ「宝物」を見つけるんだったら、たくさんの違うものの中から見つけ出す方が嬉しいと思いませんか?

目利きの優れた骨董屋さんだって、偽物を観たこともなかったら、本物であることはわからないんですから・・・。

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