100点満点を意識しない‼
今日のレッスンで1曲歌い終わった後、メンバーの皆さんにこんな質問をしました。
「いま歌い終わって、自分たちって結構いけてるんちゃうの?」って自分で思った人はいてる?いたら手を挙げてください。」
そしたら誰一人として手を挙げませんでした。
そのあと、一人のメンバーさんに「君の歌に点数をつけるとしたら?」って聞いたら、彼女は少し考えて「65点」と答えました。
次に「残りの35点は気になる?」って聞くと「はい」との返事。
いつも僕は思います。
「生徒さんって真面目やなぁ・・・」って。
いつでも常に「100点満点」を目指すのはきっと責任感が本当に強いんだと思う。
100点のうち65点しか取れていないという自分に対しての不甲斐なさ、周りの人への「申し訳ない」という気持ちがあるんでしょうね。
だから65点の自分の歌声に対して「いけてる!」とは思えない。
でもちょっと待ってほしいです。少しだけ見方を変えてください。
思ったようにできなかった部分が35点あります。でも歌えている部分が65点あるわけです。
歌ってる時に意識してほしいのはこちらの65点の方。グループのサウンドとして絶対に欲しいのは「この65点」です。
別に20点でもいいし、10点でもいい。%は低くても、そこに自分を出せる空間があるのであれば、そこだけは気持ちよく歌いましょう。
僕はいつもいいます。「白黒つけましょう」って。これはダメな部分を明らかにするのではなくまずは「いい部分だけちゃんと理解して、その部分は100点満点の気持ちを持ってほしい」ということ。
今の自分にちゃんとOKを出しているかどうかはめちゃくちゃ大事なことです。
いい部分を「Yes」としたら、そうでない部分は「No」ではありません。「Yesにするには工夫が必要な部分」です。いわば「伸びしろ」。
出来てない部分があることにこだわりすぎて、できている部分が出せなければ、結果は「0点」です。これは寂しい。
それだったら今の持ち味を最大限に出して、そのうえで今日はあと「5点」増やしてみようと考えてください。25点の人なら30点。全員が「5点」魅力を増せば、100人いれば「500点」プラスです。
クワイアは一人ではありません。自分の中でうまく歌えない部分があっても、きっとメンバーの中にそこを得意とする人がいるはずです。当然、その逆もあるわけですから、あなたの65点はいろんな人の苦手を補うのです。
僕は「講師」という仕事をやっています。でも僕自身が自分の歌を理想と比べて評価した時つけれる点数は「40点」くらいかな?
でもその「40点」はどんな生徒さんも持っていない、僕にしか出せない「完璧な40点」です。僕はこの40点に絶対的な自信を持っています。だから講師ができるんです。
100点のうちの65%しか歌えないのではない。その65%の部分だけは「誰かを補う100点満点として歌うこと」が大切です。それが「Satisfy My Soul」のサウンドです。
「未完成」にこそ「味わい」があると僕は思います